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SIGGRAPH 2007 3日目

今日も主に論文の発表を聞いていました。


Matrix Row-Column Sampling for the Many-Light Problem

たくさんの光源を扱う場合、レンダリングにかなりの時間がかかるため、今までは主に何らかの前処理を行っておくことで、負荷を減らしていました。 しかし、このような方法では、光源とマテリアルを同時に変えるようなことができません。 よって、そのような状況を改善するため、前処理なしで interactive に、この多光源問題を解く手法を提示します、という発表でした。

具体的には、GPU の利点を活かすため、多光源問題を大きい行列を扱う問題へと変換してから解きます。 そして、光源の中から影響の大きいものを選ぶことで、高速化をしています。

レンダリングされた画像は、普通にレンダリングされた画像と比べてもほとんど違いがわからないほど精度が良い上、速度も前処理をする手法と同じくらいでした。


Wrinkled Flames and Cellular Patterns

炎や爆発などのシミュレーションは、水や煙に比べると、物理をベースにしたシミュレーションはそれほど為されていません。 複雑な化学反応の連鎖をうまくモデル化するのが難しいからです。 この論文では、レベル集合法と反応面のモデル化、ナビエ・ストークスの式を合わせた手法での炎のシミュレーションについて述べています。

具体的には、反応面での炎の速度が一様にならないようにしているようです。 そのようにすることで、炎・煙の広がりなどが、より本物っぽくなるとの事でした。


Adaptively Sampled Particle Fluids

この論文では、粒子法を用いる際に、Adaptive sampling というアルゴリズムを用いて粒子の数を減らし高速化する、粒子からの距離で表面を求めるという 2 つの新たな手法について述べています。

それぞれの手法を大雑把に言うと、Adaptive sampling は、medial axis と呼ばれる図形のトポロジー的な中心線からの距離が近い粒子は分割し、距離が遠い粒子はくっつけます。 これは大まかに言うと、流体の形の変化が大きいところで、粒子は細かく分割され (解像度を上げる)、それ以外でくっつけます (解像度を下げる)。 そして結果として、粒子数を減らすことができます。 流体の表面は、直前の表面から粒子までの距離を用いた式で毎ステップ計算していきます。

粒子法は個人的にとても関心のある分野なので、とても楽しく聞くことができ、シミュレートされた流体もかなり流体っぽく、これはぜひ近いうちに実装してみたいと思いました。


夜は Electronic Theater に参加してきました。 世界中から CG に興味のある人が一同に会して、大きいホールに所狭しと座り、映像作品を 2 時間鑑賞するというのは、とても不思議な感じで、中にはこの Electronic Theater に参加するためだけに SIGGRAPH に訪れる方がいてもおかしくはない、と考えました。 中には抽象的過ぎて理解できなかったり、写実的過ぎて詰まらなかったものもあったのですが、全体としては楽しめました。

担当:齋藤 (数学をもっと勉強しなくては)